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二人で見た 雨の夜のカエル
こんにちは
梅雨に入り 雨雲が空を覆う日が多くなりました。
確かに 雨降りの日は 不便で
雲が空を覆えば 心も すこし 曇ります。
でも 雨の日は
人の心を 優しくするような気がします。
明るい青空の日には 気が付かないことに
気が付き 考えたりすることも あります。
たとえば 大好きな人 大切な人が
傘をさして 強い雨の中を 出勤や登校をすることを想えば
「濡れないかな」とか
「荷物重たくないかな?」と心配になります。
雨の中に一緒にいたり、一緒に歩いているとき
自分が濡れることより 相手の人が濡れることを
気遣う方も 多いようです。
雨は 人の心を繊細に
優しくしてくれるのだと思います…
先日 関西に久しぶりに帰った夜
長男・誉を助手席に乗せ
小雨が降る山路を運転しました。
時刻は 深夜0時くらい
遅い時間でした。
普段 離れて生活している分
子供の変化には 敏感な私です。
少し前までは こんな時間なら
寝てしまっている 子供が
しっかり 目を開けて助手席に座っていてくれることにも
ある意味 「成長」感じて 嬉しくなります。
そんなことを考えながら
山道の下りカーブにさしかかった時です。
車のライトに照らされて 目の前を
「ぴょんぴょん、ぴょん」と
夜の雨の中 一生懸命 道路を横切る一匹の蛙に
私は 気が付きました。
でも その時、なぜだか解りませんが
そのことを
口には 出しませんでした。
そして 数分後、誉に
「さっき 蛙 道の上 跳ねてたな…」
と つぶやくと
「うん 見たよ」と応えます。
私は 雨の降る深夜、
道を横切る あの一匹の小さな蛙のことに
気が付き 心にとめた 我が子に
すこし 嬉しくなりました。
そして その後
「なぁ、あの蛙って 心があって
人間みたいに 考えることが出来て
車は 人間が動かす 危険な乗り物で
急いで 道を渡らないと 危ないって わかってたように 思わない?」と
いみじくも医学博士の私が行うべきではない
非科学的な発言を してしまいました。
誉は すこし 私に 気を遣いながら
「うーん それはないと思うよ…
ただ ライトの光とか エンジンやタイヤの音を
本能的に 察知してるんやと思う」と
ごもっともな
回答を 返してきました。
ネプリーグという番組の
超人キッズのコーナーで
「お腹ウエーブ超人」として 知られた
すこし お笑い系の入った我が子ですが
意外に冷静で 客観的な思考をします。
「そうやな…確かにな…その通りやな」
と 私も とりあえず応えました。
でも 雨に降られながら 道の反対に懸命に 急いで渡ろうとしていた
あの蛙のことが 心に 焼き付いていた私は
「あの蛙って あのあと どうしてるかな…
草の中に 家族とか いるのかな? どう思う?」
と 誉に聞くと
「きっと いると思うよ」と
この点では 同意してくれました。
「あんな小さくても パパや 誉と同じ 一つの命で
死を迎えるまで 一生懸命生きてるんや。
道も 山でも 街も
パパや 誉の身の回りは
いっぱい そんな命で溢れてて
そんな命に囲まれてる。
パパは今度 生まれ変わったら
あの蛙になるかもしれないよ」
というと
雨の窓を見つめながら
にっこり してくれました。
「誉は 私が 蛙に生まれ変わっても
優しくしてくれる大人になってくれるかな…」
私は 心の中で つぶやきました。
確かに 人類の文明が 発達し
近代では 解剖生理学 生物学も 進歩して
いろいろなことが 解明され
人は 他の生き物とは違って
高度な知能を有していることが
明らかになってきました。
ただ 本当に 蛙や虫が
どんなことを察知し なにを頼りに
行動し 生きていているなんて
実際 我々人間は 知ってるつもりで
わかっていないことが多いような気がします。
実際 動物や虫は
人間に比べれば 下等な生き物かもしれませんが
そのように決めつけ
人間とは 違う生き物だと 思い込んでしまうところに
私たちが 虫や動物の命を
軽んじてしまう要因の一つになっているのかもしれません。
近代医学や 生物学 解剖・生理学が
発達していない時代
わからないことが多かった分
現代と比べ 動物や虫たち 生き物全部と
人間の距離は もっと近く
野生の生き物に 我々は畏敬の念を抱いていたはずです。
そして 小さな生き物にも
優しかったのかもしれません。
雨が私の心を優しくして
この世に存在する 無数の小さな命のことまで
気がつかせてくれました。
雨は 時に 有り難いものです。
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3 comments to this article
maama
on 2010年6月27日 at 4:06 PM -
心に潤いが満ちてくるような
素敵なお話でした。
ありがとう。。。
たんぼには
たっぷり水が張られて
田植えも済みました。
夜になると
かえるの 声が
響き渡ります。
蛍も舞う
風情のある季節ですね。
雨は人を優しくする。。。
そう感じられる心でありたいです。
近藤惣一郎
on 2010年6月28日 at 2:06 AM -
maamaさんへ
こちらこそ 素敵なコメント いただき
ありがとうございます。
蛍の季節ですね…
品川だと なかなか 見られませんが…
以前 滋賀の長浜に住んでいるとき
山東町というところで
蛍が樹木にとまって
まるで Christmas treeのように
輝く様を 毎年 見ていました。
子供が小さく とても 喜んだ記憶があります。
蛍 みたいな…
近藤惣一郎
on 2010年6月28日 at 2:06 AM -
maamaさんへ
こちらこそ 素敵なコメント いただき
ありがとうございます。
蛍の季節ですね…
品川だと なかなか 見られませんが…
以前 滋賀の長浜に住んでいるとき
山東町というところで
蛍が樹木にとまって
まるで Christmas treeのように
輝く様を 毎年 見ていました。
子供が小さく とても 喜んだ記憶があります。
蛍 みたいな…