ピュアな心：たかが趣味、されど趣味

ヒラメ表紙.jpg

たかが趣味、されど趣味．．．

こんにちは

日経新聞　今月の「私の履歴書」は

三菱重工業　相談役　西岡喬（たかし）氏の

人生が　ご紹介されています。

西岡氏は　「使命感」を持ち

日本の航空機事業を牽引されてこられた偉人です。

２１日の紙面では　仕事から離れ、

ご自身の趣味である

天体写真撮影について述べられました。

「写真を撮りに行った晩は徹夜。仕事には必ず間に合うように帰る。東京勤務になっていた97年、ヘールボップ彗星が地球に近づいたときは、三浦半島の先端と富士山の両方へ日にちを変えて行き、夜通し撮って帰ってきた。私たちは宇宙の片隅に生まれ、宇宙を若干なりとも理解するまでになった。だが、宇宙がどのようにして誕生したか、膨張を続ける宇宙の終わりはどのようなものか。まだ宇宙の本質は解き明かされていないのが現状だ。解明できるのは、今のところ私たち人類しかいない。地球に生きている幸せと意義に思いを巡らせながら、私は天体写真を撮り続けている。」

と　そのページを締めくくっておられました。

「たかが趣味、されど趣味．．．」

複雑な現代社会に活きていても

人は仕事から離れた部分で　利益や損得に左右されない

ピュアな子供のような視点で

自分なりの　使命感を持って

何かを　行い続けることは　とても大切なことであり

それを　もし　自分が行える環境にあるのであれば

そのことに感謝しなければならないと　思います。

私は　このページを読んで　そんなことを考えると共に

思わず　微笑んでしまいました。

それは　釣りをするする自分と重ねてしまったからです。

美容外科に携わり、東京でクリニックも開業した関係で

今は　なかなかそうは行きませんが

滋賀県の琵琶湖近くの家から、　昼は魚、夜はイカ釣り、

台風が来て太平洋が駄目なら日本海、

雪が降って日本海が駄目なら太平洋と

脳外科医としての本業の合間をぬって

太平洋の伊勢・志摩　そして日本海の若狭・越前と

車を走らせ　日本列島を縦断して

沖釣りとその執筆・撮影活動に、燃えていた数年前を

想い出します。

夜にイカ釣りを行ったときなどは

朝までに　帰宅するのは勿論、

道具やウエアーをきれいに洗って干し、

釣ったイカを梱包して宅急便で

送ったら喜んでくれる人に送り

それから　病院に出勤していたのです。

今は小４の娘・雅は　あの頃　まだ小さく

私の職業を　医者ではなく

「漁師や釣りをする人」と　信じていたほどでした。

「あの頃の様に…」とまでは　ゆきませんが

東京での開業が　一段落し、

また　大阪院もオープンしたことで

関西に戻る機会も増えたことで、

自分の活動エリアである　中部、関西の沖釣りの

発展、普及のため　また　奮起しようと決心しています。

添付写真は　今週発売の　週刊つりニュース・中部版の

表紙です。

私は　ここ7年程、

中部、関西のコンビニや釣具店で販売されている

「週刊つりニュース・中部版　関西版」において

毎月のグローブライド（旧ダイワ精工）株式会社・タイアップ記事と

2ヶ月に一度ほどの「今週のつり作戦」を執筆する

ご縁を　いただいています。

今週のつり作戦は　伊勢湾近傍や志摩沖、若狭や越前といった

この地方の季節、季節の釣りのノウハウを

解りやすく紹介するものです。

今号は11月から盛んになる

伊勢湾口の「ヒラメ釣り作戦」です。

「今週のつり作戦」を担当させていただく時は

表紙写真に　自分の写真を使うことが恒例で

今回もヒラメを手にした私の写真が表紙に使われています。

今回は　この表紙写真を撮ることを目的に

大阪院出張の前々日、東京から飛行機で関西に移動し、

琵琶湖畔の家から、片道１７０キロ（往復３４０キロ）

運転して向かった三重県鳥羽沖で　釣行を行いました。

ただし　この日は　条件が悪く

表紙を堂々と飾るような　大きなヒラメは

釣れませんでした。

自然相手のことですから　仕方ないのですが…

この写真のヒラメは　お世辞にも大きくなく

私とヒラメの　写り方のバランスも

良くありません。

釣りをされている方や

出版業に携われているかたなら

「もうすこし　良い写真を使えばいいのに…」

と　思われて　当然の写真です。

いつも　カメラ撮影が上手いこの船の船長も

いまいちの釣果に　元気が無く、

写真の写りが　悪いときは

いつもなら　「もう一枚！」とお願いできるのですが、

この日は　無理も言えず

なかでも　一番　マシな　写真が　これになってしまったのです。

私のコンピュータには

膨大な数の釣り写真がストックされていて

もっと大きなヒラメや　良いアングルで撮られた写真は沢山あります。

勿論　それらの中から　ピックアップして

写真を掲載してもかまわないのですが

やはり　その年のそのシーズンに撮影した

写真を掲載するのが　多少写りが悪くても

「旬の釣り」の紹介には　ふさわしくなるのです。

私のストック写真には　写りがいいもの　そして　そうでないもの…

いろいろあります。

でも　それぞれの一枚には　その日　その時の

いろいろな背景が凝集され

想い出が詰まっています。

写真の魚　自分の顔をみて

その当時の　自分のこと　周りのこと

いっぱい想い出します。

私の本業は　医者です。

釣りは　やっぱり　趣味です。

仕事から離れた部分で　利益や損得に左右されない

ピュアな子供のような視点で

自分なりの　使命感を持って

これからも　釣りは　続けてゆきたいです。

自然と海、魚という命に触れ

ピュアで　美しく健全な　心と身体を

保ち続けることにもつながると思うのです。

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